昼過ぎに家を出て国道4号を北上。20時過ぎに石巻に到着。アパートでシャワーを浴び着替えてハッピーへ。
「あら、また来たの。Hさんは?」
石巻に来る途次にメールで決裂しましたと報告、「僕ひとりでやろうと思います」と高らかに宣言した。
「いいんじゃない? 共同経営なんてロクなことないんだから。どれ、大家さ電話してみっか?」とその場で電話して、いきなり代わらせられた。少し慌てたが、実際に声や話しぶりを聞くと安心する。40代と若いようだが受け答えに誠実さを感じた。肝心の家賃について、ダメもとで訊いてみた。
「あーなるほど。では開業まで半分でいいですよ。シャッターも壊れてるんですね。あとで見て直しておきます」
と満額回答。素晴らしい。ママも「いい人でしょ? 大家がいいとホントやりやすいのよ」と笑っていた。
まずは仮押さえということにしてもらった。もし他から話があったら優先的に対応してくれるとのこと。ここまで話をつけとけば安心だ。
H先輩を揺さぶるだけのつもりで帰省したのに、大家とここまで話ができるとは。もはや坂道を転がるおむすびも同然。行き先は、光満ちあふれる桃源郷しか考えられない。