港町の山小屋だより

2021年5月、被災地石巻に焼酎と洋楽を楽しむBAR「山小屋」がオープン。東京でサラリーマンをしながら毎週末に石巻に帰ってバーを開く生活を続けて2年。そして2023年4月、37年ぶりに石巻にUターン。昼間の事務職とバー経営の二足のワラジを履くオーナーYがゆるーく情報発信しています。

今年も一箱古本市が開催

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10月15日、今年で11回目を迎える石巻一箱古本市が行われた。山小屋営業以前から「めめんと書房」として参加して今年で4回目となる。山小屋との同時営業は去年に続いて2回目だが、今年はさらにウクライナ料理Borschも同時営業だ。

去年はとても忙しかった。事務局からは「主会場から離れているのでお客さん来るかなぁ」と言われて、まぁのんびりやろうと思っていたら11時のスタートから来客がすごかった。駅から一番近いので仙石線を降りてまず山小屋に寄るのだ。来てくれた人にコーヒーをサービスすると決めていたので午後までずっと豆を挽いてコーヒーを淹れ、カウンター越しに本の代金を受け取るのを3時間ほど続けた。飯が食えたのは閉店して幟を返しに行った午後4時。いろんな人と出会えて、あんなに楽しいことはなかった。

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今年もコーヒーサービスは継続。思いがけず同級生のS子(本職は書店員)が手伝いを申し出てくれたので、だいぶ楽をさせてもらった。今年は挽いた豆を使い、アイスコーヒーにしたのでスムーズにサービスできたと思う。

本の売れ行きもまずまず。去年からの売れ残りに、東京自宅の蔵書を(引越しがてら)持ってきて補充したのがよく売れた。レヴィ=ストロースの『神話論理』を全巻買ってくれた若者もいた(売価の半額にしてあげた)。。
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めめんと書房の売りでもある「束見本」もほぼ完売。一年間で貯めた40冊を一冊100円で売り、ウクライナ人道支援金として供出させていただいた。
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Borschの3人は、いつも通りにボルシチ、ヴァレニキ、オリヴィエ、ムリンツィを販売。本を買いがてら店内でボルシチを食べていく客が多く、売り上げに貢献できてよかった。ウクライナ料理と古本の相性がよいのだろう。山小屋が一人取り残された感じだ(笑)。

夕方、幟を返して表彰式に参加。店番を手伝った助っ人3人が飲みに来てくれた。出店者も次々と予約が入り満席状態が続き、最後の客が帰ったのは午前1時過ぎ。朝9時から17時間ぶっ続けで働いたことになる。売上も開店以来最高額となった。古本市サマサマである。売れ残った本は店奥のキャビネットに置いて通年販売をする。来年はこれに補充すればよい。

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昨年の開店前は「東京の人がブックバーを開くらしい」と噂が立ち、なんだそりゃ?と訝しんだが、蓋を開けてみればそれに近い形態になってきている。自分のなかではめめんと書房(2019〜)と山小屋(2021〜)は別の事業体のつもりだったが、まさかの合体。たしかに二つも要らないので、どちらか一つを残したいところだが、今は決めきれない。商号が二つあってもいいんじゃないかと、今は思っている。