H先輩を揺さぶってみる
今日は歯医者だった。奥歯に金属を入れるのに台座となる元の歯を削ったり型を取ったりで2時間以上もかかった。エプロンをされスマホも見られず、頭の中でいろいろ考えることしかできない。麻酔でボーッとしながら考えていたのは、H先輩のことだ。
あれ以降、メールがない。おそらくせっついても動かないだろうな、あの人は。一人でやりたいが、今のままじゃな…。家賃4万5千円かぁ。一人は厳しいよな。あ、テニスはどうする? この膝じゃ続けられない。辞めれば1万5千円は浮くな。スナックも高いところは最近とみにつまらなくなった。行くの辞めたらこれで2万は浮く。お、あと1万5千円じゃないか。何とかなんじゃね? 動きそうもない先輩を待つくらいなら今の生活を見直して開店準備をした方がよくね? 今週末はどういう予定だっけ? 何もないじゃん。帰っちゃうか。帰ろう。一応先輩も誘う。最後通告しよう。先輩が店やらないなら僕がやりますよ。そう言えばいい。
…
歯医者を出る頃にはハラは固まっていた。すぐにHさんにメール。家族にも週末帰省を告げる。バイクも戻ってくるし、夏にツーリングできなかったリベンジもできる。天気は? 0%? 最高じゃないか。帰ろう帰ろう。そのまま契約しちゃうか?
さて、どうなる?