港町の山小屋だより

2021年5月、被災地石巻に焼酎と洋楽を楽しむBAR「山小屋」がオープン。東京でサラリーマンをしながら毎週末に石巻に帰ってバーを開く生活を続けて2年。そして2023年4月、37年ぶりに石巻にUターン。昼間の事務職とバー経営の二足のワラジを履くオーナーYがゆるーく情報発信しています。

京都出張+小旅行③

【7/12 世界遺産天龍寺

最終日。保養所をチェックアウトして朝イチで天龍寺拝観。友人から勧められていた蓮池を散策。素晴らしい。「露の身は ここかしこにて 消えぬとも 心はおなじ 花の台(うてな)ぞ」。


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法堂には加山又造筆「雲龍図」。5月に観た身延山より後の揮毫か。


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方丈には曾我蕭白雲龍図レプリカ。原画はボストン美術館所蔵。その前に広がる曹源池庭園は壮観。さすが国特別名勝指定第1号。聞けば京都五山の第一山だとか。


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背後の亀山・小倉山を借景とする優美な作庭。この庭を抜けて北門を出ると有名な竹林がある。


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竹林を抜けて嵯峨駅まで戻り保津川トロッコ列車で楽しむ。始発の9:50発に乗り、亀山で折り返し10:30には嵯峨嵐山に戻れる。往復ともに同じ車掌だったが、最後に歌を歌うのね。松山千春とかだった。


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【京都側から比叡山登頂】

午後の予定を決めていなかったが、昨日大原に行く途中で「八瀬駅前」というバス停を見つけ、そこからケーブルカーで比叡山に登れると知ったのでチャレンジ。嵯峨嵐山を11時に出て嵐電(京福路面電車)〜地下鉄東西線烏丸線〜バスを乗り継いで八瀬へ。幸い接続がよく洛西から洛北まで1時間ほどで行けた。


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バスを下りて高野川を山側に渡ればケーブル八瀬駅がある。ここから一気に標高差561m(日本一)を登る。12:30発。乗客は俺一人。窓の外を眺めていたらすぐ前で草を食む野鹿と目が合って驚いた。比叡駅からはロープウェイで山頂へ。パラパラと雨が降り出した。発雷警報が出ていて帰りの運行はわからないとのこと。とりあえず延暦寺まで行ってみる。


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山頂バス停からシャトルバスが出ているが古道マニアなので脇道を徒歩で下りる。ところどころ崖崩れが起きていたが砂利が敷かれて歩きやすい道だった。古道を抜けて、いよいよ延暦寺西塔エリアに入る。


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比叡山延暦寺・西塔エリア】

古道は西塔(さいとう)と東塔(とうどう)の中間に出た。さてどちらから回るか。東塔エリアには宿坊やバスセンターがあり京都に帰りやすいだろうから先に西塔から。


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伝教大師最澄が788年に創建した延暦寺はのちに法然親鸞道元も修行した日本仏教の母山。西塔は杉木立に囲まれた閑静なお堂が居並び厳粛な趣を醸している。山王院、浄土院、にない堂、釈迦堂を回る。誰ともすれ違わず雨のなかを一人歩いていると、身体を一本の氷柱が貫くような感懐がする。身延山高野山とは違う霊気を感じる。来た道を戻り東塔エリアへ。


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比叡山延暦寺・東塔エリア】

西塔から20分ほど歩いて東塔の阿弥陀堂に着いた。雨は止んだが霧がすごい。こちらの建物は割と新しい。国宝殿もあり観光客もチラホラいる。阿弥陀堂で写経をやってみた。筆ペンで南無阿弥陀仏を10回書き1000円を添えて奉納するもの。願い事を書けというので「東日本大震災物故者諸霊追善菩提」と書いた。身延山もそうだったがどこの寺に行っても本尊の前には3.11を菩提する位牌が置かれることが多い。それがあろうがなかろうが念ずるのはただ一つ。俺もそのうちそっちに行って同じ蓮の華に坐らせてもらうから席を空けて待っててね。宗派は違っても念は通ずべし。元三大師様、よろしくお願いします。


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阿弥陀堂を出ると辺りが濃霧に包まれていた。視界5mもない。幻想的な雰囲気に酔いしれることができたが30分ほどで晴れた。国宝殿を見てバスセンターから京都駅行きのバスに乗る。15:10発。琵琶湖が見渡せた。まさか延暦寺に行けると思わなかった。出張ついでの物見遊山は店の準備とオープンで半年頑張った自分へのご褒美。

16:30京都駅。八条口から徒歩5分のところに銭湯を見つけた。いい街だ。行きたいところが死ぬほどある。できれば毎年来たい。着替えて駅に戻り、おばんざいの店でビール。


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18:30の新幹線で帰京、われながらいい旅になった。週末にはまた石巻だ。がんばろう。