港町の山小屋だより

2021年5月、被災地石巻に焼酎と洋楽を楽しむBAR「山小屋」がオープン。東京でサラリーマンをしながら毎週末に石巻に帰ってバーを開く生活を続けて2年。そして2023年4月、37年ぶりに石巻にUターン。昼間の事務職とバー経営の二足のワラジを履くオーナーYがゆるーく情報発信しています。

1/3(月) 賑わった年末年始

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12/29(水)

前日、無事に仕事(東京の)が納まり朝に出発。今回は青春18きっぷ。9:30新宿発宇都宮線に乗り、数回乗り継いで石巻に着いたのが17時過ぎ。イオンで買い物をして開店。門中のアキラとキョウコが来てくれた。去年、同期会を開いた時の幹事。1年ぶりの打ち上げ。ほかに若めのカップル。蔵王に冬登山に来た(吹雪で断念)ついでに石巻に足を伸ばしたという。山小屋の名前に騙されたという(笑)。アキラたちも加わって談笑した。途中でメニューを見て「おくずかけって何ですか? 食べてもいいですか?」と言われて頑張って作ってみた。この正月に出そうと思っていたのでいい練習になった。

12/30(木)

いつも数名で集まっているという門小門中スタッグ(男だけの)パーティー、今年は山小屋でやろうとワラワラ集まってきた。Nと会うのは久しぶり、というかほとんど初めて話す。小中高一緒でも同じクラスになったことがない同期(常連Yもそう)となると縁がない。それでもいろいろ話せて楽しかった。メンバーの子供たちも集まってきたので貸切にした。いいね。こういうのがしたくて山小屋を始めたのもしれない。

12/31(金)

午後に店を開けてみたら開店と同時にKちゃんIちゃん親子。あら久しぶり。おみやげに手製の甘酒をいただいた。「疲れてっぺと思って」。みんなそういうのだが、疲れている自覚症状がまるでない。人は疲れるとどうなるんだ? だるいとか朝起きられないとか? 一切ないんだけどね。それでも「飲む点滴」と言われる甘酒はありがたい。Iちゃん、書道のほうで忙しそう。店を手伝ってほしいんだけど無理そうだな。

夕方、スクーターであゆみ野の叔父宅に向かったが調子がおかしい。あくせるが吹きも戻りもしない。グリップが回らないのだ。ブイーーンと高回転ながらもスピード出ず。ブレーキで止まる。騙し騙しで到着。ワイヤーが凍ったのかもしれん。車を借りて仙台落合の叔母宅へ。いつもの年越し、兄貴も浦和から到着していた。


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10時まで紅白見ながらご飯を食べて石巻へトンボ返り。0時に南浜津波復興祈念公園でカウントダウン花火が上がるのだ。三陸道は横殴りの雪、50キロ規制。なんとか23:30に間に合ったが南浜は大渋滞。同級生Kと連絡とりながら公園に入り慰霊碑の前で見ることにした。実家跡でとも考えたが、がんばろう看板に近すぎてイベントの華やぎがウザイのでやめた。写真や動画を撮りながら門小LINEに流した。特に感動もシラケもない。みんなが喜んでるところを見るのが好きなだけだ。


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しかし復興公営住宅の真ん前とは。窓の灯りは半分消えている。年寄りが多いので寝てるんだろう。西光寺の蓮の会では「寺として反対」に決めたという。市長は当初、「供養の花火」を言ったらしいが住職は「花火は疫病退散であり供養ではない。簡単に供養と言ってほしくない」と突っぱねたとのこと。120%同意する。結局は復興祈念と医療従事者への感謝に落ち着いたという。新市長の人となりを知らないが「希望の花火」なんてポピュリズムもいいところ…なんて悪口はやめとこ。


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ひどい渋滞を抜けて店に戻ったのが午前1時。そこへおり姫ママが来た。「あけましておめでとう。うちもさっき客が帰ったとこ。お腹すいたからなんか食べさせて」。ハイハイ、深大寺蕎麦で年越ししましょ。そこへbugのユースケ君も加わった。大晦日(もう元旦)のこんな時間に営業してるのは、この古井戸通りの数軒しかないのかも。一般客は来そうになく、ご近所さんと一緒に新年を迎える。今年もよろしくお願いします。

二人とも店に戻り一人きり。かまぼこを切ったり芹を湯がいたり正月の仕込み、店の掃除、表の雪かきなどをした。朝5時までいたが客はなし。雪が降っちゃったしね。それでも元旦の朝を店でのんびり迎えられるのがうれしい。去年までは一人アパートにいた。来年はもう少し賑やかであってほしい。さてどんな一年になるか。

帰ったら水道が凍結していた。窓が少し開いてたこともあるが、湯沸かし器のシャワーにツララができていた。なんじゃこの部屋は。

1/1(土祝)

今年は元旦だけが土日に吸収され、ほかの祝祭日はすべて平日で連休が多いのだとか。それだけ店にいられる日数が多くなるね。

水道が凍結して顔が洗えない。まずはふたごの湯へ。去年も元旦に水道凍結してここに来た。今年はタオルもらえず。

北上ICから石巻港ICまで高速を走り、20分ほどであゆみ野に到着。仙台組(叔父、叔母、兄貴)はすでに来ていた。お雑煮、あんこ餅、おせちをいただく。眠くなったので2階に布団を敷いて眠った。実はこの部屋を狙っている。あんなボロアパートをさっさと出てここで寝泊まりしたい。叔父叔母もそのほうが安心するんじゃなかろうか。車をもう少し使ってよいとのことで借りて店に行き19時から開けた。

誰が来たんだったかな。あ、デザイナーのS君だ。仕事を頼んでる後輩。帰省中に寄ってくれた。それに若い男子二人。もう出来上がってる。若い女の子のいる店を探して迷い込んだらしい。元旦は無理じゃない? ギターを見つけて弾き始めた。ハイボール2杯ずつ飲んで一人1500円と行ったら驚かれた。たしかに石巻では考えられないだろう。若い女の子がいなくてゴメンね。

スマホに何やら着信。おり姫ママからLINE。「ジュンちゃんが腹へったって。何か作って出前してけさい」。がってんだ。深大寺そば大盛、ペペロンチーノ、麻婆豆腐、アジフライ、梅たたきキュウリ。一人で食うのか? 一品ずつ作っては出前を持っていった。ママも一緒に食べていた。そりゃそうか。


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兄貴がアパートに来ているので一緒に飲むかと帰ったらもう寝てた。隣の部屋に布団敷いて寝たが寒くて凍えそうだった。1階はずっと空き部屋。氷のうえで寝るようなものだ。いつものソファーベッドが恋しいが今夜は仕方がない。靴下を履いて寝た。

1/2(日)

兄貴を誘い出して今日も小船越のふたごの湯へ。先にコインランドリーで洗濯をした。兄貴を生協(ぴよ吉に行きたいとのこと)で下ろして店へ。あとで寄るという。塩釜から門小門中同期のAが来てくれた。そこへKと兄貴も。医者をしているAを囲んで、ガタが来ている身体の相談。山小屋医療相談室。30分5000円で10%抜こうかな(笑)。楽しい時間。兄貴に「山小屋はどう?」と訊いたら「いいんじゃない? 落ち着けるよ」と。凡庸な褒め方だが本心だろう。

夜は高校同期バスケがやってきた。いつもこの日にOB会をしている。同期以外にも二人いてこの日も貸切。その二人は早めに帰ったので同期だけで飲んだ。わがバスケ部はエリート集団なので雰囲気になかなか馴染めないが、飲み屋の店主を決め込めば問題なし。飲み放題3000円にして大騒ぎ。楽しい夜だった。石巻の正月、楽しすぎる。

この日バスケが押し寄せる直前、東京からSさんも来ていた。行きつけの狛江スナックで仲良くなった(Sさんは県北の若柳町出身)。若い子がいる店を教えてと言われたのでルーナママに電話して2軒ほど教えてもらった。地図に書いてSさんに渡した。「あとで寄ってくださいよ。一緒におり姫に行きましょう」と誘ったら「楽しかったら来ない」と言われた。12時半まで待ったが来なかったので店を出た。

スナックは今からじゃ無理だなと銀河へ。今年もよろしくお願いします。お通しのほかに蕎麦や餅が振る舞われた。隣のお姉さんは近所のスナックママさん。ちょっとだけしゃべって「今度行ってみます」と。数字だけの名前の店、ずっと気になっていた。気さくなママさんだし行ってみよう。それにしてもあのビル、行きつけの店ばかりになってきたな。

この日はコンビニホテル泊。当日予約で3000円。エアコンで部屋をガーガー温めてぬくぬくと眠った。朝早く石巻を出る兄貴とは会えず。気をつけて帰ってくれな。

1/3(月)

6連戦最終日。まずは石高同期K。そこへ同じくM。この3人で会うことって意外となかったね。でもすごく落ち着く。二人とも次の店に行くロイター板のごとく山小屋を軽々ステップしていった(笑)。

食器を整理してたら見慣れない小皿が。おり姫のお裾分けで返してないやつかなと思い、再度洗って持って行ったら「違うけど好きな色だからもらっとく」と。店は新年会で賑わっていた。ついでにおくずかけ出前受注。残り物なのでただでいいよと持っていった。「そういえば昨日Sさんが来たよ」。え、一人? 店はどうだったとか言ってた? 「うん、ボられたって」。えー、何てこった。あとで謝らないと。

店に戻ってしばらくしたらおり姫ママからLINE。「みんなおくずかけ美味しいって。味噌味はじめてだって」。ナヌー! んなワケねーべ。ちゃんと椎茸で出汁とって醤油で味付けしたんだって。里芋が煮崩れて白濁したから白味噌と勘違い。やめてー。ショックで立ち直れない。おくずかけはそれぞれの家庭で味が違うから店で出すのは難しい。

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23:40。もう来ないだろとエプロン外そうとしたら常連Mちゃん兄弟。その直後にMのマスターとその客。カウンターが一気に埋まった。昨日銀河で会ったママの店に行きたかったが、無理だ。客は1時間ほどで帰ったが、片づけが終われば午前2時。明日も早いのでおとなしくアパートに帰った。水道から水がやっと出た。

この続きはまた。