港町の山小屋だより

2021年5月、被災地石巻に焼酎と洋楽を楽しむBAR「山小屋」がオープン。東京でサラリーマンをしながら毎週末に石巻に帰ってバーを開く生活を続けて2年。そして2023年4月、37年ぶりに石巻にUターン。昼間の事務職とバー経営の二足のワラジを履くオーナーYがゆるーく情報発信しています。

10/31(日) 山小屋は意識高い系?

部外者の出る幕ではないが、元アイドルの自民党公認候補が地元選出のベテラン議員に挑んだ今回の総選挙……

 

ストォーーーーップ! 

 

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……てなことを書きたがるから、山小屋はいつも閑散としている、そう思いはじめている今日この頃。飲み屋だぞ。NPOや勉強会ではないのだ。なぜ高邁ぶる? 個人Facebookでもそうだ。震災以後、これだけ故郷を想っているのだぞと石巻愛を振りかざす。選挙にでも出るつもりか。

インスタも、何だあれは。本や美術の話ばかり。ゴタクを並べたて、客を選別していないか? みろ、始めた頃に来てくれていた地元客が誰も来なくなったじゃないか。「意識高い系の客が集まる飲み屋はここですか?」と言われてるに決まってる。硬い話ばかりする店で、いったい誰が飲みたがるのか? もちろん政治の話はご法度のつもりだが、石巻の話題にキャッチアップしたいばかりについ口や筆が滑る。スマホだから指か。

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2.0や本棚の人たちが日常的に使ってくれたり、石巻を訪れたマスコミや大学先生方が面白がってくれたりするのは本当にありがたい。でもそんな店にしたいと思って始めたわけじゃない。小中高の同級生たちが、門脇町南浜町の人たちが、気軽に集える場を作りたかっただけだ。

どこで道を間違えたか? これは自分が悪いのだが、震災後10年、この近辺で飲み歩いてきた中で、親しくなったママやマスターに東京の名刺を渡していた。その俺が山小屋を始めた。いつの間にか「ハッピーエンドの下にブックバーが出来るらしい」「山小屋のマスターは新聞記者らしい(←誰かと勘違いしている)」という噂が広まっていた。何だブックバーって? 飲み屋で本読んで楽しいのか?

ぜんぶ俺が配った名刺のせいだ。オープンする前から「元門脇住民が始める店」ではなくなっていた。軌道修正も面倒くさいし、音楽で売ろうにも2階のハッピーエンドとかぶるしで、もうブックバーでいいやと開き直った。本棚をつくって古本を並べ、壁には絵や版画をかけた。


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「いい雰囲気ね」と言ってくれる客も多い。こんな店が欲しかったとも。自分なりに「山小屋」のイメージを積み上げ、趣味やキャラをある程度押し出して、俺丸出しの店になったことは、なった。でもそれは、入りやすい店なのだろうか? 好事家が集う、常連色の強い店になっちゃいないだろうか?

近所のスナックママからも「私なんかが行っていいの?って思う」と言われた。ちょっとショックだった。無味無臭なバーよりはクセの強いバーのほうがいいに決まってるけれど、「あそこは意識高い系の人が飲む店」と敬遠されては困る。そもそも俺が問題だ。変わり者のマスターと思われてはいないか?

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インスタの流れを変えよう。こんな「文化人でござい」みたいな臭い投稿は自粛。すぐにキャラ変できないとは思うが、徐々に変えていこう。