あの店に行ったのは失敗だったか
夜9時半を回り、仕事はいくらでもあったが、最近飲んでないので餃子にビールが恋しくなった。
行きつけの中華料理店に入りビール2杯と餃子と焼きビーフン。時計の針は10時45分を指している。今からあの店に行っても1時間はいられる。話をするのにそれくらいはどうやったってかかる。
店の前に立ち、あれこれ悩む前にやおらドアを開けた。僕の顔を見るなりママの顔が一瞬強ばった。すぐに平静を取り戻し、熱いおしぼりを僕に手渡した。
(中略)
何とか謝ることができたが、関係修復にはほど遠い。まったく、イヤになる。会社近くの店とのトラブルはゴメンだ。さっさと帰ればよかったのか。まあでも、やるべきことを果たした意義は大きい。少し、肩の荷が降りた。でもたぶん、あの店にはしばらく行けない。
自制せよ、ということなんだろう。