政界を引退したあたりから永くはないと思っていたが、訃報に接すればそれなりの寂寥感を感じる。
彼の保守リベラリズムの姿勢は至極まっとうであり、そういう稀有な政治家を擁していたことは、自民党という政権政党の懐の深さがあったと言えなくもない(支持者ではないが)。その保守リベラリズムを継ぐ政治家がいるとすれば、同じ宏池会出身の加藤紘一か、現議長の河野洋平ぐらいだろうか。いずれも昨今のポヒュリズム政治の中では主流たりえず、“ご意見番”に徹するのが精々だろう。
今夏参院選で安倍自民党が惨敗するのは明らかだが、問題はその後だ。追い風のはずの野党が民意を的確に捉えなければ、麻生や中川ら俗物を「次は俺だ」とほくそ笑ませるだけだ。宮澤氏には悪いが、ああいうチンピラ風情を跋扈させてきた責任は小さくない。もちろんそれ以上の戦犯が今もウヨウヨしているのだが。
小泉再登板だって? 冗談も休み休みにしてほしい。