港町の山小屋だより

2021年5月、被災地石巻に焼酎と洋楽を楽しむBAR「山小屋」がオープン。東京でサラリーマンをしながら毎週末に石巻に帰ってバーを開く生活を続けて2年。そして2023年4月、37年ぶりに石巻にUターン。昼間の事務職とバー経営の二足のワラジを履くオーナーYがゆるーく情報発信しています。

映画「ロニー」を観てきました。

吉祥寺バウスシアターの携帯サイトを見ていたら「こんな映画やってたの?」…ということで、久々にレイトショーを観てきました。ついでに、ディスクユニオン吉祥寺店ほかでCDを物色。

メルティング・ポット(紙ジャケット仕様)

メルティング・ポット(紙ジャケット仕様)

↑1500円。英国の一流スタジオミュージシャンの集合体BLUE MINKによる1st(69年)。メンバーはその後HUNGRY WOLF、UGLY CUSTARD、RUMPELSTILTSKIN、SKYなどジャズロック寄りの音楽性を展開。全員が超絶テクニックを持っていながら、このポップさはいったい何?…という意外性がたまりません。大好きなバンドです。
オンリー・フェン・アイ・ラフ・・・(紙ジャケット仕様)

オンリー・フェン・アイ・ラフ・・・(紙ジャケット仕様)

↑1500円。同じくBLUE MINKの5作目(73年)。RAY COOPER、ANN ODELLが加入してより幅が拡がった。アンソロジーは数枚持っているけど、こうしてアルバム単位で買えるのがうれしい。
Andy Fraser Band / In Your Eyes

Andy Fraser Band / In Your Eyes

↑1200円。ブリティッシュロックの伝説的ベーシストANDY FRASER(ex.FREE)の貴重な足跡。ここまで来たらANDYがCHRIS SPEDDING(ex.NUCLEUS)と組んだSHARKSも聴きたくなります。
Ars Nova

Ars Nova

↑800円。米国アートロック系のようだがよくわからない(69年)。ホーンセクションやスパニッシュギター入りの不思議なサウンド

(ほかにTHE YARDBIRDSの3枚組ボックスも買ったのだがAMAZONに登録なし)
以下は下北沢(映画のあと帰宅途中で下車)の中古CDショップDRAMAでの収穫。暇つぶしに入ったのだが意外と品揃えがよいのに驚いた。

Manassas

Manassas

↑800円。STEPHEN STILLS(ex.CSN&Y)の言わずと知れた名盤。なぜか今まで未聴でした。POCOなどカントリー系とも人脈的につながる快作(72年)。
Live the Masters

Live the Masters

↑500円。ブリティッシュブルーズのCD収集をライフワークとしている僕がこの名前に反応しないわけがない。TONY McPHEEはすごい人なのに評価低すぎ。
Roger Mcguinn & Band

Roger Mcguinn & Band

↑700円。ROGER McGUINN(ex.THE BIRDS)がこんなバンドをやっていたとは寡聞にして知りませんでした。75年作。
Nils Lofgren

Nils Lofgren

↑800円。探していたNILS LOFGREN(ex.GRIN)の1st。ドラマーはなんと英国ブルーズの名手AYNSLEY DUNBAR。この人“渡り鳥”として有名で、JOHN MAYALL'S BLUES BREAKERS、JEFF BECK GROUP、RETALIATION(自分のバンド)、FRANK ZAPPA、JEFFERSON STARSHIP、JOUENEYとここでは書ききれません。

下北のDRAMA、侮れないぞ。また行こう。
ところでカントリー系、ルーツ系のアーティストに自然と触手が伸びるのは、最近買ったDVD「The Old Grey Whistle Test」で、お気に入りの英国カントリーバンドHEADS,HANDS&FEETのライブ映像を観て感動したからだと思う(加齢的な影響?)。

さて、映画のことも多少コメントしないと。
http://ronnie-love.com/
97年に多発性硬化症で亡くなったRONNIE LANE(ex.SMALL FACES, FACES)の貴重なライブ映像がふんだんに使われ、あまり知られていない70年代後半からコロラドで病没するまでの凄まじい行き方がよくわかるいい映画でした。伝説のコンサートARMS(ERIC CLAPTONJEFF BECKJIMMY PAGEが競演。多発性硬化症救済・支援のチャリティー)では支援者の裏切りもあり散々だったようです。
RONNIEが作ったバンドSLIM CHANCEはどこかRCA時代のTHE KINKSやパブロックとの類似性を感じさせ、昔から好きでしたが、実はその音楽は仲間とのトレーラー生活(ドサ周り!)の中で作られ、生活に根ざした独自性の強い音楽であると認識を新たにしました。
STEVE MARRIOT(ex.SMALL FACES)やROD STEWART(ex.FACES)の引き立て役に耐えきれず、カントリー路線に活路を見いだしたRONNIEですが、英国での活動には限界がありました。病気が彼を蝕みさえしなければ米国進出を果たして成功したかもしれません。この映画を機に再評価の機運が高まることを期待します。

Ronnie Lane's Slim Chance

Ronnie Lane's Slim Chance

↑このルーズ感が最高です。ぜひビール(できればスタウト)を飲みながら聴いてみて!

しかしここ数年、何だかドキュメンタリー映画ばかり観ているような気がする(「RED, WHITE & BLUES」「FESTIVAL EXPRESS」「TOM DOWD AND THE LANGUAGE OF MUSIC」「THE BAND」「NO DIRECTION HOME」等々)。観に行くとたいてい団塊の人たちばかりでときどきイヤになります(笑)。


※こんな感じで、つらつら書いていきたいと思います。お付き合い、よろしくお願いします。